接客時の嘘は場合によっては真心になる?

〜Editor’s コラム〜

 

『接客時の嘘は場合によっては真心になる?』

 

プライベートにおいても、仕事においても“嘘”をつくことは、絶対にダメなことです。

例えその場の一時しのぎになったとしても、嘘は必ず信用を無くしてしまいます。

 

では、このような嘘はどうでしょうか?

とある人気コスメを販売している店舗に、一人のお客様がやってきました。

そのお客様はどうしてもその人気コスメが欲しくて、店舗に来店しています。

しかし残念なことに、そのコスメは品切れです。

また来店された店舗だけでなく、他の系列店でも全店舗で品切れの状態だったとします。

もちろんそれだけ人気のコスメなので、店舗で働く販売員たちも全店舗品切れ状態であることは把握済みです。

この状況で来店されたお客様に、例のコスメはありませんか?

と尋ねられた場合、どのように回答しますか?

 

『申し訳ございません。全店舗品切れです。』

この場合何一つ嘘はついておらず、ありのままの真実を伝えていますよね。

しかしお客様の立場で考えると、どうでしょうか?

もしかするとお客様は、そのコスメを求めて数々の店舗へ足を運んでいたかもしれません。

どうしてもそのコスメが欲しくて、遠方から来店されているのかもしれません。

そんな状況で『全店品切れです。』とバッサリ回答されてしまうと、お客様はどう思うでしょうか?

がっかり、悲しい、悔しい・・色々なマイナスの感情が湧いてくると思います。

 

一方、『申し訳ございません、只今品切れですが念のため他店舗の状況をお調べしてみますね。』

この場合、販売員はお客様に対し嘘をつくことになります。

何度調べようが、全店舗品切れをしていることは紛れも無い事実です。

しかしお客様の立場で考えると、結果的に欲しかったコスメは手に入らなかったとしても、わざわざ私のために調べてくれたという感動がお客様の中に芽生えるはずです。

 

以前、全国展開をしている某有名アパレルショップ(A店)へ行きました。

とても気に入ったジャケットがあったのですが、その時には買わず、後でどうしても欲しくなり
自宅から一番近い店舗(B店)へ行きました。

その際、そこのB店にはなかったのですが、どうしても欲しいと伝えました。
その際にほんの少しの時間で「お調べしましたがありませんでした。」とあっさり。。

セール期なのでいろいろと事情もありんだろうな〜と思いつつ、なんとなく態度に違和感を覚え、仕方ないとあきらめました。

そして、それからしばらくして一番始めに行ってみつけたA店へ期待せずに行ってみると、なんと在庫がありました。。。
そのA店の情報も伝えたのになんだかもうその自宅近くのお店で今後買う気がなくなりました。。。

 

“ない”とわかっていても一生懸命探してくれる、他の方法をなにか一緒に考えてくれる、という行為は

今後そのお店へ足を運ぶかどうかに大きく変わってきますよね。その時の売り上げにはならなくてもきっと

お客様は戻ってきてくれます。

「次買うならここ!」と信頼を寄せてくれることがとても大事。

 

売上の為に悪質な嘘をつくことはもってのほかですが、前記述のような嘘は時と場合によっては

“まごころ”のある接客になるのではないかと思います。

もちろん嘘をつくことは悪いことです。

ですがお客様の立場を考えての接客であれば、小さな嘘も時には必要なのではないでしょうか。

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